読書感想文「86ーエイティシックスー」・バームクー軒

 

 読書感想文企画の第2回目は話題性を買って電撃の大賞作。時事ネタでもあるので早く感想文を上げろとせっつかれて慌てて書いている。普段からラノベを読んでいるわけではないので電撃がどういったものを出しているかわからないが、タイトルだけで胃もたれしそうなファンタジー物が来たら嫌だな~とは思っていた。ぱら見すると、どうも戦争ロボ物らしくほっと胸をなでおろす。

 

 

 今回の86は、敵国の無人戦闘機と戦うために自国の少数民族を迫害し最前線に送り込んだ国のその最前線で戦う兵士たちの物語である。

こう書くとひどい話に聞こえるが実際もしっかりひどい話である。しかも、段階を追ってさらにひどい話が出てくるから、単純な圧倒的戦力さ!のようなものとは違う絶望感を煽るのでそこは上手くいっているのかな。結論としては悪くはないレベルと思ったが。

 印象的なシーンがいくつもあってそれがギリギリ破たんすることなく積み重なっていくので読み進めることのカタルシスはある。ただ、いくらかのシーンや設定はお互いに食い合っていると感じる部分もあったのと、元ネタがあるせいなのか、シーンを継ぎ接ぎしているように思える部分があったのは残念だった。ついでに言うならこの部分で嫉妬にかられた友人のどっかで聞いたことあるような愚痴を延々聞かされる羽目になったのはこれがらみの最悪の思い出である。

過去に一度死んだと書かれる戦士たちや、マイノリティとマジョリティの差別問題を戦争物でやったり、敵機を無人戦闘機にしたのや、ネタの取り扱いの拙さはある意味でこれが今のリアルなんかな~?とか考えたが時間が無いので今回はこの辺で。