読書感想文・白Ⅱ 「殺し屋の厄日」

 最初のシーンこそグロいが、そこを超えれば王道の犯罪小説といった風。
 魅力的なキャラクターたちが事件を探っていく過程も特に困難にぶつかることもなくスイスシと進むので悪役が背後で何をしているかが気になって読むと言う感じではない。

 


 読む動機に欠ける。ただ、文章がうまいのですらすらと読めるし、ユーモアもあるので退屈はしない。
 悪役はやっている犯罪の大きさに反してマヌケで後半の展開にカタルシスに欠ける。
 色々とネガティブな意見を書いてしまったが、率直な感想は面白かっただ。
 主人公のジャーナリストが事件の核心に迫っていく取材手法のヤリカタがスマートでかっこいい。
 少しずつ判明して行く大規模な犯罪の全容。
 王道である。
 ただ、引っかかったのがこれを推薦した友人である。
 やつの普段の主義主張にしては王道過ぎる。
 普通すぎるような気がする。
 まぁ、それはあまり関係のない話であるが。
 ブラックユーモアと糞とゲロにまみれた王道犯罪小説として面白い作品でした。