バームクー軒のラーメン日記30軒目

出会いがあれば別れもある。ラーメンの話にしぼっても毎年沢山の新店や未知の感動との出会いがあるが、同時に沢山のお店やラーメンが消えて行ったりしている。何年か前に俺氏の大好きだった担々麺をメニューから外してしまったあの店も消えてしまったし、とんこつを食べていた数少ないお店も消えてしまった。寂しくて悲しい話である。

 何かが失われると二度とそれは戻らない。こう書くと重く聞こえるが、永遠なんてありはしないし時間だって戻らない。それに何かが変わる時に起こるのは悪い事ばっかというわけでもない。それをグダグダ言っても始まらない。というか、そもそも良いと悪いを決めているのは自分自身だと感じる今日この頃である。

 

 

 その日は虫歯でダメになっていた歯とおさらばすることになっていた。こんな別れならあっても良いなと思うが、それならそもそも虫歯と出会いたくなかった。そのレクイエムでは無いのだが、中村橋から優良店である河野が移転してきたので、仕事も早めに終わったし最後に良いもん食わせてやろうかなと思ったのである。

 河野が下赤塚に移転とはまさかである。こういうまさかの再会は人生の良いサプライズだ。しかし、サプライズ過ぎてこの日の何日か前にべんてんを空振りした友人に情報提供が間に合わないという悲劇が発生してしまった。成増から下赤塚なら歩けたろうに、哀れ友人は泣きながら帰宅の途に就いたという。

 

 炎天下の中、チャリをぶっ飛ばして店まで行くと、移転から間もないためか結構な客入り。店内が広いので良かったが、危うく夏場のくそ暑い中を外待ちしそうになるところだった。

 この日の段階ではメニューは基本的には醤油のみに絞られていて大盛が無料。麺が美味しい店なんで最高だね。前回食べた時の印象はかなり前なのでそんなに記憶に無いが、七彩系は何か月か前に方南町で食べているのでそっちの良い印象が期待値を挙げてしまう。

 オーソドックスな見た目のラーメンを一口食べてみるとやはり七彩系だけあって麺がうまい。このひらくてちぢれてて比較的柔い麺は好みドンピシャである。スープも飲みやすいし、かといって過不足が無い。満足感はあるが嫌味は無いから毎日でも食べたいくらいだね。もうあっという間に食べ終わっていい気分である。

 好みの麺。旨くて飲みやすいスープ。大盛無料。もう今、家の近所に欲しいラーメン屋NO1である。後日食べた塩も良かったので月に2回は行きたいレベルである。

 

 とまあ、最高に気分が良かったので、べんてんを空ぶった友人に、河野は最高だったで!と自慢のメールを写真付きで送ったのがその日の最後の良い思い出である。その後、帰宅途中にチャリのチェーンが切れ派手に転倒。頭を打たなくて良かったとかそのレベルで痛かった。さらにチェーンの切れたチャリを押して歯医者に向い歯を抜かれ、修理に出そうとチャリ屋に行けば定休日だった。もう踏んだり蹴ったりである。

 涙を流して帰宅した友人にあんなメール送ったからばちでも当たったんやろか。天国から地獄とはよく言うが、このドライビング感は半端じゃない。

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