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読書感想文「四畳半神話体系」・江戸川キックボード

これは意識の高い小説だ。

 



物語は大学生の主人公を中心に四編が連なって構成されていて、ただ漠然と時間が流れていくような矮小なものではない。
それぞれ舞台、登場人物などは共通ながら連続した物語ではなく、細かな違いによる変化が産み出すという、いわゆる平行世界ものだ。
おおよそのプロット、所々に出てくるセリフやキーワードも共通ながらも、些細な違いから物語は変化しているのだ。
この小説はストーリーではなく、その構築を楽しむ高尚なものなのだ。
また文章も豪華だ。
たった一つの事をただ表現するために小難しい文で二倍三倍と飾り立てて華々しくしている。淡白でチープな表現力しかない身としては見習いたいものだ。
こうした、自分を低く言いながらも、意識の高い系の本は進んでは絶対に読むことはないので貴重な体験だった。
この場を借りて深く礼を述べたい。
最後に、個人的にはネタバレは嫌いだが一つだけ、作中に出てくる猫ラーメンは実にうまそうだ。メインではなく具体的な描写は少ないが実にキャラが美味しそうにすする。それだけで推薦図書に選らばルたのも頷ける。